2014年10月8日水曜日

動線

映画の画面には、幅と高さと奥行きがあります。
そこまでは絵画と同じです。

そこに時間軸が加わり、人物や物が動くことで、文字通り、動画になります。
また、カメラが動いたり、カメラと被写体が同時に動いたりして、
豊かな動線が生み出されます。

画面がパッパッと切り替わってゆく小気味のいい映画も面白いですが、
1カットの時間が長い、いわゆる長回しの映画も動線を味わう楽しさがあります。

ダルデンヌ兄弟の 「 少年と自転車 」 のシーンとカットを数えてみたら、
正確ではありませんが、およそ93シーンのうち73シーンが1カット、
じつに80パーセントが、1シーン1カットの、長回しの映画でした。
しかも情念と緊迫感に満ち満ちているのですから、すごいですね。