2014年10月14日火曜日

秩父音頭

読み合わせで、男女が餅をつくシーンの掛け声を聴いていたときのことです。
リズムが生まれ、声に勢いがついて、
このまま歌のひとつも飛び出すんじゃないの、と思いました。

舞台になっている埼玉北西部の地元の方たちに、
この辺りで昔から口ずさんでいる歌はありますか、と聞くと、
首をかしげたあと、みなさん、

♪ ハァーエ 鳥も渡るか あの山越えて 鳥も渡るか あの山越えて

と歌い出します。
「秩父音頭」の頭でした。

長い歌ですが、抽出すると次のような歌詞です。

♪ ハァーエ 鳥も渡るか あの山越えて 鳥も渡るか あの山越えて(コラショ)
  雲のナァーエ 雲のさわ立つ アレサ 奥秩父  

  ハァーエ 花の長瀞 あの岩畳 花の長瀞 あの岩畳 (コラショ)
  誰をナァーエ 誰を待つやら アレサ朧月

  ハァーエ 主(ぬし)のためなら賃機(ちんばた)夜機(よばた)主のためなら賃機夜機(コラショ)
  たまにゃナァーエ たまにゃ寝酒も アレサ買うておく

  ハァーエ 燃ゆる紅葉を 谷間の水に 燃ゆる紅葉を 谷間の水に(コラショ)
  乗せてナァーエ 乗せて荒川 アレサ都まで

  ハァーエ 炭の俵を 編む手にひびが 炭の俵を 編む手にひびが(コラショ) 
  切れりゃナァーエ 切れりゃ雁坂 アレサ雪かぶる
  


日本の暮らしの中に、自然に発生するオペラ(歌劇)があり、
それが、笛や太鼓の鳴り響く祭りの中に受け継がれているのではないでしょうか。


https://www.youtube.com/watch?v=blo_5xTdIQg